神の領域
私が皆さんに、武久源造の音楽をささやかであるけれどもご紹介してきているのには、
私自身が芸術家として、またヒーラーとして長年培ってきた感性と本然の霊性によるものです。
譬えてみるならば、その音楽は仏性の宿る生きた仏像のようであり、
またそれをも超えた神性が音楽になって創造される、
ひとえに人々の心の琴線に響くものをという無心の境地を、日々、暗闇の中で
その一音一音に託し全身全霊で生み出しているのです。
氏が、全存在で集中して創り出している音は、
かのバッハが当時、最も最新の楽器であったジルバーマン ピアノに追い求めていた音であるのです。
「実に、このピアノは、チェンバロ、クラヴィコード、ツィンバロム、ハープの特性を
併せ持っているのである」(武久)
幻の名器と言い伝えられているジルバーマンピアノのレプリカを深町研太氏が日本で初めて復元して以来、
15年の歳月をひたすら、この楽器の改善改良に費やしてきました。
盲人でありながらも、その手先はあらゆる工具を駆使して、ジルバーマンピアノの古い文献を調べては、
現代の人工物の一切を退け、最も理想とする天然の素材を、羊皮紙から膠、禿鷹の羽などなど、世界中から取り寄せては試作し吟味し、
その指は演奏家としてだけではなく、楽器職人として最高の音を生み出しているのです。
すべてにおいて、生活のどんなことも自分自身でこなすのも、それが音楽を創ることでもあるからであると言います。
生傷の絶えない人生の重みを、分かち合える人は皆無でしょう。
しかし、この方の放っている光は、まるで太陽光のように人々は感じるでしょう。
その光は、彼の生み出す音色となって人々に贈り届けられるのです。
愛と光と感謝をこめて
♡
『レコード芸術誌』2月号特選盤
武久源造の、iTunes の着信音は、iPhone、iPad、iPod touchのみからご視聴ご購入ダウンロードできます。どうぞよろしくお願いします。
by Lala