住みたい街
ブログを書いていたらうっかりとこれがクリックされたので、書くことになりました。
このSUUMOのサイトを数限りなく検索している私は、住む場所探しをずっとしている。
実際にあちこちの街に転々と引っ越している。
どの街も居心地良かったし、まだ住んでいないで住みたい街は多々あるので、次回に書いてもいいと思う。
一番長く住んだ街は、千駄木である。
千駄木は、日本文学に名だたる文豪が暮らし、名作が生まれた土地であるゆえにどこと
なく品がある。
文学者ばかりでなく、彫刻家の高村光太郎と智恵子ら芸術家の住んだ街であり、平塚ら
いてうの『青鞜社』があり女性解放運動の拠点でもあった。
画業をする者にとっても、この地は何か新たな創作意欲が湧いてくる土地の気を感じる。
古美術商も軒を連ねて歩きながら目の保養になっていた。
店に掲げられた書に魅せられてふと立ち寄った表具店の書家とは友達にもなった。
私が住んでいた家は団子坂上から左側エリアの千駄木一丁目で、故山本安英さんの家は
斜向かいにあった。
散歩道には劇作家の木下順二さんの家があって、当時はまだご存命してらしたので、そ
のお家の前を通るときには何某かの気配を感じて、
娘の好きだった「あまんじゃく」を小声で誦じたりしていたのを覚えてる。
日医大方面、本郷に向けて歩くと、漱石の家跡の大きな石碑があって、かつて夏目漱石
が千駄木の地に住んでいたことを誇りに思っていた。
私が十代の頃の愛読書のひとつが漱石だったからである。
千駄木は、東大のある本郷にも歩いて行けた。
東大には、「三四郎池」がある。
本郷には古本屋やこじんまりした珈琲店があって、散歩の楽しみだった。
若い頃は自転車を漕いでどこまでも出かけたものだが、最近は自分の足の歩みの速度が
ちょうどいいので、美術館のある上野公園や、谷中、根津、本郷辺りを歩ける千駄木の
街にまた住んでみたいと思っている。
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