生の音色に聴き入るコンサート
ジルバーマン フォルテピアノは当時、ヴェルサイユ宮殿のマリーアントワネットも所有して
ヨーロッパの音楽界で一斉を風靡していました。
バッハは、この楽器にこそ、バッハの音楽が奏でられる音色があると自ら売り主となり広めていました。
しかしながら楽器そのものの繊細な細工なため、モダンピアノが台頭し廃れてしまい、
現在世界に3台しか残ってません。
その3台は博物館にあり、復元不能となっています。
バッハ研究者でもあり楽器の仕組みをプロ並みに知り自ら楽器を改良する全盲の音楽家、
武久源造はこの楽器が2007年日本で深町氏により復元されるやいなや、
自らの手で、改善改良を続けて参りました。
当時を知る私の耳にも、復元されたけれどもまだ聴けるものではありませんでした。
武久氏がそれ以前に弾いていた、私もオイリュトミーで共演したことのある、
復元されたクリストフォリの方がずっといいとさえ思っていたのです。
しかし、氏が何度も何度も改善改良していくうちにどんどん良くなってさらに音色が深まって行くのをみながら、
この楽器の素晴らしさを知るようになったのです。
そして2015年に、バッハのパルティータ全曲を6回公演でジルバーマン ピアノとオイリュトミーでお披露目しました。
最近では身近に、その繊細で緻密な作業を垣間見ながら、これこそあの柳宗悦が『工藝文化』で説いている
職人の魂に通じると思いました。仏の道に通じるものです。
全盲でありながら一切合切を自分でこなし、楽器と一体になって微妙な音色に耳を澄ませては、
毎瞬毎瞬をバッハが追い求めていたというこの世で聴いたこともない音色を創ることに費やしています。
15年を費やし今年に入ってから、ようやく本人が確固たる自信をもって世に出せる音色になり、
これまでネット配信から極力避けていましたが、やっとその気になったのです。
さすがに生の音色は、その場限りのものです。
生きている生の音色に立ち会える機会に恵まれてることに、ありがたみを覚えます。
2023年4月1日(土)、代々木上原駅徒歩2分のムジカーザでぜひご高覧いただきますようお願い申し上げます。
愛と光と感謝をこめて
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