私の人生で、最も影響を受けた師匠は、オイリュトミー天使館の笠井叡先生です。
笠井先生からオイリュトミーを教えていただいたすべてのことが、
血肉化して今の私を形成していると言っても過言ではありません。
先生の教えは、一語一句漏らすまいと必死についていきました。
十四年間、天使館に通い続けて記録した膨大なノートが、ある出来事により
一瞬にして失くしたことは人生最大の喪失と思うことがあります。
しかし、卒業の折りに先生がみんなにおっしゃった言葉がその後の私を励ましてくださいました。
「天使館で学んだことをそのまま教えるのではなく、自分自身が満たされている、
それが溢れるようになってるそこから教えればいいのですからね」
そしてそのようにして、古いノートを振り返らずとも、私自身からは溢れるように
何かから導かれるかのように教えられるのです。あの頃の一瞬一瞬が、
エーテル体に刻まれ生命界とつながっているのです。
どの師匠にも共通していることは、溢れる優しさと愛です。
一分一秒たりとも先生の授業を大切にしていたにもかかわらず、卒業後、
パタリと天使館に足を運ばなくなってしまいました。
運命はさらに私をそれまでとは異なる世界に運びました。
その間に最愛の親友を亡くして、デュエットの夢が消えてしまいました。その親友の一言で、
卒業後も天使館に留まる想いを吹っ切ったのでした。
今日、不意に聴いていた音楽体験で、先生の教えが蘇ってきました。
「普段感じられない感情というものを、音楽で体験できる。自分だけの人生では感じられない感情、それをオイリュトミーで体験してください」
昨日、あるクライアントのセッションで不思議な感覚感情を体感しました。
まさにその感覚感情を今日、バッハの音楽で感じたのです。
私が心の深いセッションを可能にしているのも、
このオイリュトミーで養い培ってきた感覚器官のセンサーによることを改めて実感いたしました。
笠井叡先生のことは、最初にお会いしたときから、先生は天使だと思ってきました。
先生がつながっているところが、途轍もない広大な宇宙の深奥であることを、
常々感じていました。
そして並々ならない努力の方であることを誰もが知るでしょう。
愛と光と感謝をこめて
♡
韓国初のオイリュトミー公演に出演したメンバーと笠井先生 1988/6/3